《MUMEI》 ライバルで友達「厳君ナイッシュー!」 (ん? この声…) 応援席から、特徴のある甲高い声が聞こえ、ふと見ると 「げ…」 一番前に、石川がいた。 俺は石川が嫌いではない。 石川は、祐の部活の後輩で、祐からいい子だと聞いていたから、印象はいい。 だから、俺の『げ…』の原因は、石川の存在では無く 今の状況だった。 「あら、美鈴じゃない」 そう 志貴が言う通り、石川の隣には、静かに試合を見守る松本の姿があった。 (こうして見ると、正反対な二人だな) 時に立ち上がり、かれるんじゃないかという位、大声を上げて応援する石川 微動だにせず、祈るように試合を、厳を見つめる松本 (…何で隣同士なんだ?) 石川と松本はクラスも違うし、接点は無いと思っていた。 試合終了後。 「厳君かっこよかったね!」 「うん!」 「じゃ、一緒に下行こう、美鈴ちゃん」 「うん」 二人仲良く移動し始めたから、俺と志貴が目を丸くしていると 松本が、石川を 『ライバルで、友達』 と、俺達に紹介して、二人は去っていった。 (いつの間に…) 俺の知らない所でいろいろあったようだ。 前へ |次へ |
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