《MUMEI》 「‥‥‥‥‥‥‥」 少し、 眠ったらしい。 那加は、 まだ寝息を立てている。 髪に付いた花びらが、 髪飾りみたいに見える。 「姫サマ──」 那加の寝顔を見つめながら、 俺はある事を思い付いた。 ──花冠でも作ってやろうか。 「──よし」 手近に咲いている花を何本か摘んで、 俺は花冠を編み始めた。 ──そういえば前にも、 編んでやった事があったな。 あまり、 上手くは編めなかったけど──。 今もそんなに大差ないか──。 前へ |次へ |
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