《MUMEI》 青いリボン「何か美鈴見る度に逞しくなってるわね」 「だな…」 俺と志貴は、しみじみしていた。 「これから、一年女子の決勝らしいけど、どうする?」 「そうだな」 俺達のクラスは、男子は決勝に残れなかった。 しかし、女子は決勝に残っていたから応援するつもりでいた。 試合は、一年女子決勝→二年男子決勝→女子決勝の順で行われる。 「バレーの状況は?」 同時刻行われるバレーの状況を、志貴がクラスメートにメールで訊いてくれた。 「残念、準決勝敗退だって」 「じゃあ、このままいるか」 こうして、偶然、俺は一年女子の決勝も見る事になった。 そう、偶然だったのに 「祐也先輩!」 コートから叫ぶ奈都。 (何で) その手首に、青いリボンが見えた時、俺は驚いた。 奈都はそんな俺に見せ付けるように、シュートを決める度に青いリボンが付いた手を、高々と上げた。 俺は奈都の行動が理解できなかった。 そして志貴は、様子がおかしい俺に気付いていた。 「あのリボン、祐也の?」 その質問に、俺は正直に頷いた。 前へ |次へ |
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