《MUMEI》

「クロ!!」















この時、


クロは確実に冷静さを欠いていた。


相手の裏をかく為に鍛え上げた広い視野も、


この時のクロが使うことはなかった。


相手のスポーツマンらしくない姑息なやり方に頭に来ていた。


クロにはボールしか見えておらず、


シュートを決めるということに意識がいき、


普段のクロとは大きく違っていた。


気付いたのはヤマトだけだった。


クロの近くにいたヤマトは、


クロのシュートの為に1対1を仕掛けたヤマトは、


相手のディフェンスに、


いち早く気付いていたのだ。


















「ガンッ!!」
















「バタッ…」








試合開始から11分。


勢いよくシュートを打ちに行ったクロは、


6メートルライン内にいた相手のディフェンスにぶつかり、


その場に倒れこむ。


オフィシャルの時計が11分を示したまま、


止まっていた…

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫