《MUMEI》

「どうぞ、姫サマ」




編み上がった花冠を、

眠り込んでいる那加の頭に乗せてやった。





「───────」





何だか、

眠り姫みたいだ。





──可愛い。





思わず、

見とれてしまう。





寝顔は、

本当に天使みたいだ。





また、

すぐに小悪魔に戻ってしまうけど──。





「──ひなたぁ‥」

「那加‥?」





目が覚めたか‥?





「ひなた──」





ギュッ、

と俺の服を掴んで、

那加は俺の名前を呼んだ。





「‥ひなたぁ‥」

「いるから、ここに」

「───────」

「召使はどこへも行かない」

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