《MUMEI》

半分夢の中にいたらしかった那加は、

俺の視線に気付いて飛び起きた。




「なッ‥何見てるのよ日向っ」

「ぇ、寄り掛かってきたのは那加じゃ‥」

「だからって見ないでよっ、‥さてはずっとあたしの寝顔ガン見してたの‥!?」

「ぃゃ、ずっとじゃない‥」

「〜〜〜‥ずっとじゃなくてもガン見してたんじゃない」

「‥スイマセン、姫サマ‥」

「いいもんっ、あたしも日向の寝顔ガン見してやるもん」

「‥な‥」





今、

何と仰いました‥?





「那加‥それは──」

「ダーメ」

「姫サマ‥」





お許し‥

頂けませんでしょうか‥?

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