《MUMEI》

「知らない‥」





そう答えたら、急に未玖が私の耳に顔を近付けてきた。




「((‥これ、内緒だからね?))」

「‥ぇ」

「((あたし、眞野っちのケー番知ってるんだ))」

「!?」





何で未玖が‥?





「((──はい、これメモっといたから))」

「ぇ、未玖‥ちょっと待って」

「?」

「どうして未玖が──」

「((へっへーん、昨日あたし日直だったでしょ? 教務室に日誌置きに行ったら、眞野っちのケータイが机の上に置き去りだった訳))」

「((アドレス帳見たの‥!?))」

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