《MUMEI》

「ハイ‥」





那加を怒らせたら大変だ。





「ねぇ」

「ハイ‥?」

「‥ありがと、花冠」

「花冠‥? ──ぁ」




そうだ、

那加が寝ている間に頭に乗せてやったんだっけ‥。





「けど日向──もうちょっと上手く編めないの?」

「‥スイマセン、不器用でして‥」

「まぁ、これでもいいけど」

「‥?」

「──日向の花冠好きだから」

「──那加──」

「な‥何よ」

「また編んでやるからな」

「──いいもんっ」





那加はプイッとそっぽを向いた。

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