《MUMEI》

「いや、大変って訳でもな‥」

「‥あたしがせっかく手伝ってあげてるのに文句つけるの‥?」





那加は、

何故か殺気に似たオーラを放っている‥。





「滅相もございません‥全く断じてそのような事は‥、!?」





‥帽子だ。





那加は、

被っていた帽子を俺に投げ付けてきた。





「全く──‥失礼しちゃうわ」

「‥スイマセンでした‥」

「──どれ位集めればいいの?」

「押し花にするだけだから、そんなに沢山はいらないかもな」





俺はそう言ったけど、

那加は聞いていないのか‥

大量の花びらを空になったレジ袋に入れていた。

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