《MUMEI》

俺は、車での移動中、アイマスクをされた…

酷く乱暴な運転だった…

柴咲とか言う、あの、女の運転だ

アイマスクを外されたのは、広い倉庫の中だった

雅治「美樹、大丈夫か?」
美樹は、にこっと笑って、俺の手を握り返した

ドアを開けられ、美樹を抱えて降りた…

倉庫の中に、プレハブが有った

俺達は、その中へ…

美樹をソファーに寝かせた
雅治「!……」

美樹の股間から、血が…

乱暴にされ続けたのか、腫れあがり、痛々しい…

俺は、美樹に上着をかけた
男「腰の物を預かります」
俺のベルトに挟まってる拳銃を指差して、静かに、男は言った…

今更、じたばたしても始まらない…

俺は拳銃を、男に渡した

男は静かにプレハブから出て行った
 
 
雅治「美樹…もうちょっと辛抱してくれな…」
「病院、連れてってやるからな」

美樹「…うん…」
涙をためながら、美樹がうなづく

美樹の髪を撫でた、汗で、額に…!

熱い!熱がある!

水は?

…見渡しても、何も無い

くそっ! 

雅治「水すらないのか…」
美樹「…う……」

美樹が手をのばしてる

雅治「直ぐに何とかする…」

美樹の手を握ると、…

美樹が強く、俺の手を握った

美樹「うっ…あぁ!…」

雅治「どうした! 美樹!」

肩で息しながら、苦しんでる

美樹「ぁあ゙…がっ……」
美樹が、暴れ出した

雅治「美樹!!」

その時、扉が開き

柴咲「どいて!」

俺を押し退け、美樹の手を縛り出した

白衣を着た男が、美樹に猿轡をし

白衣を着た女が美樹の足を縛る

雅治「お前ら!何をしてる!」

柴咲の胸ぐらを掴んだ!

60代の男が、俺の腕を掴んだ
凄い力だ…爺さんの力なねか?

柴咲を離すと同時に、男の拳が俺を…

左のこめかみを殴られた

首が、右に持っていかれる程だった

俺はその反動を使い
男に同じように、こめかみに拳を叩き込んだ!

男は左手で、俺の拳を払い除けた…

な、…なんだ、この、爺以は…

柴咲「殴りっこしてないで手伝いなさい!」

柴咲の声で、我に返った

柴咲「フラッシュバックよ…」

白衣の男が、美樹に注射をした…
 
 
 
俺は、隣のプレハブに居る…

あの後、白衣を着た奴が、医療パックを持って来て、今、隣のプレハブで、美樹の治療をしてくれてる…
 
 
柴咲「貴男が血判書を、売る意志が無いのはわかりました」

唐突に、女が話し出した

柴咲「で、どうするつもりなのですか?」

雅治「……」

こいつらの狙いがわからない…
 
やたらな事は言えないな

柴咲「…」

柴咲「連れの女性を救護してる私達は、あの洋館の奴らとは、また、立場が違うのです…」
「それは、おわかり頂けましたか?」

雅治「そちらの事情は興味が無い…」
「俺は美樹を助けに来ただけだ…」

柴咲「…そうですか…」

その時、あの、白髪の男が来た

男「ここがバレました」
「直ぐに避難しないと危険です」

柴咲「!…内通者が居るのは間違いないわね…」
「久保田、支度を!」

男「はい」

…柴咲とか言う女の方が、立場が上なのか?

追っ手か?

こいつらは?奴らの仲間とは違うのか?

血判書の事は知ってるようだが… 

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