《MUMEI》
裏切り 血に染まる道
「か…楓…?」


私の視界には満足気に笑う楓がいた。

自分の腹部を見ると、ナイフが深く刺さっていた。


「かえ…で…っ。
 ゲホッ ゲホッ!!」

「あんまりしゃべんない方がいいんじゃない?」

「なんでっ、約束したじゃ…ないっ」


私は、痛みを堪えて必死に訴えた。


「約束?ふんっ馬鹿ね。あれは、『皐月』があたしを殺さないって約束でしょ?」

「っ!!」

「つまり、あたしが皐月を殺しても、約束を破ることにはならないってわけ。」


そんな…

ずっと楓を信じていたのに…


「ぶっちゃけ、あんたなんてどうでもいいし。
いつもあたしにくっついてきて、うざいのよ。」


うざい…

いつも…そう思ってた…
私は…

気付かなかった…


「ま、これでうざい奴も消せて、あたしもここから出られて一石二鳥ってとこかな。
皐月、ありがとね。
あたしをここから出してくれて♪」


楓…


私は頭の中が

真っ暗になった…

それと同時に
新しい『感情』が
私の中を支配した


「うあ゙ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫