《MUMEI》 ──静かだ。 何でこんなに静かなんだ‥? お互いの鼓動が、 やけに煩い。 いや、 煩いような気がしているだけか‥? 「ひなた──」 「‥?」 「放さないでね」 「──了解」 さっきまで、 那加は散々騒いでいたのに── 今はとろんとした目をして心地良さげにしている。 「あったかい‥」 「‥あったかい‥?」 「うん」 那加は、 コクリ、 と軽く頷いた。 「ひなた──あったかい」 「──良かった」 「何で‥?」 「那加の事、暖めてやれて──」 「‥‥‥‥‥‥‥」 「良かった」 「うーるーさーいっ」 那加は鬱陶しそうに言って、 後ろから抱き締めている俺の方に振り向いた。 前へ |次へ |
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