《MUMEI》

「おいクロ!!
大丈夫か!?」


「…うん。
大丈…」


「ふらっ…
ガクンッ!!」


1度は立ち上がるクロだったが、


すぐにその場にしゃがみこむ。


「ダメだな…。
1回下げよう。」


鳥居に連れられ、


ベンチに下がるクロ。


「おいお前!!」


ヤマトが叫ぶ。


「あ?」


「今わざとやったろ!!」


「バカ言え。


そっちが勝手に突っ込んで来たんだろ。


いい迷惑だ。」


「ふざけんなデブ!!」


ヤマトに翔太が続く。


「何で6メートルラインの内側にいんだよ!?
明らかにわざとだろ〜が!!」


「1対1のディフェンスやった後なんだからそんなこと日常だろ。」


「…殺す。」


猪狩が静かに呟いた。


「あぁ?
やってみろよクソガキ。」


その言葉にキレた3人が、


秀皇大学の選手に殴りかかろうとした時だった。


「やめろ!!」


海南クラブ不和が叫ぶ。


「不和さん!!
だってこいつら…!!」


「いいから!!
頭冷やせ!!」


「…くそ!!」


「審判。」


「…え?」


「タイムアウト。」


「あっ…
あぁ…」


「ピー!!」

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