《MUMEI》

──俺は、笹木を捜して廊下を歩いとった。





「いーひんなぁ‥」

「誰がだ?」

「なっ‥涼‥おったんかいな‥」

「誰捜してんだ?」

「2年の笹木やねんけど──」

「ぇ、何であいつなんだ?」

「卯月が──ストラップ壊されてもうてん」

「!?」

「せやから──」

「俺も手伝ってやろうか?」

「大丈夫や。‥俺がやらなあかん事やし」

「お前があいつにストラップやったからお前が悪いって訳じゃないだろ‥?」

「‥あいつが傷付いたんは事実や」

「分かった。そんじゃ──何か手伝って欲しい事あったら言えよな」

「──おおきに」

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