《MUMEI》
「え……」
振りかえると、
いちばん、会いたかった顔が、
あたしの名前を呼んでいた。
「凪!!」
全速力で、あたし目指して走ってくる。
逃げたいのに、足がすくんでしまって動けない。
やっと身体が自由になったと思ったときには、あたしの腕は、もうしっかり捕まれていた。
「はぁ、はあっ…」
汗だくの顔。
見つめるさきには、
「カツヤ……」
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