《MUMEI》 薬女医「説明して下さい!」 治療室に入るなり、女医が噛み付いて来た 水無月「…すみません、あまり説明出来ないことなんです…」 女医「冗談じゃないわ、昨日の銃撃戦といい…ここの薬といい…」 「何なの、貴方たちは!」 水無月「…お答え出来ないんです…」 女医「ふざけないで!」 「家には帰さない!事情は話せない!」 「私をどうする気なの!」 水無月「安全が確保されるまでは、居てもらいます」 女医「安全!何の安全よ!」 雅治「あんたのだよ…」 女医「…」 雅治「先生、巻き込まれて残念だが…諦めてくれ…」「家族も心配してるだろうが…しばらく、辛抱してくれ」 女医「…家族は、居ないから、誰も心配はしないけどね…」 「無断欠勤じゃ、…仕事…クビね…」 水無月「出来る限りの事はさせていただきます…」 女医「…はん…お金持ちなのね…」 「大学病院の勤務医なんて、安月給だから、払えるとでも言いたいのかしら?」 水無月「…」 女医「やりがい、や、こだわりも、あるのよ!」 雅治「それも、命あってだろ…」 女医「……」 雅治「美樹は?」 女医「奥で、寝てるわよ…」 奥の部屋に行った… 美樹…… 女医「起きたら、また、暴れるかもしれないから、気を付けて…」 雅治「暴れる?」 女医「麻薬中毒よ……急性のね…」 雅治「……」 女医「身体も、酷いものよ…」 「まるでリンチにあったみたい……」 雅治「……治るのか?」 女医「専門じゃないからなんとも…」 「出来るなら、設備が整った病院に行くのが賢明ね…」 雅治「…」 美樹が目を覚ました… 雅治「美樹…」 美樹「…ここは?…」 雅治「大丈夫だ…安心しな…」 美樹「なんで…来たの?…」 雅治「決まってるだろ…」「少し、遅くなっちまって…」 「辛い目にあわせちまったな…」 美樹「…ううん…へいき…」 美樹の髪を撫でた… 美樹を、連れ去ったのは…貴子だった… 一応、俺の姉だからな… 美樹も不信には思ったが、扉を開けてしまったと言った 美樹「ごめんなさい…」 雅治「気にするな」 美樹「真樹達は…」 雅治「美樹、その話は帰ってからな…」 「まだ、油断できない…」 美樹「ごめんなさい…」 美樹の顔が、青ざめる 雅治「心配するな…」 美樹「うん…」 美樹の頭を抱いた 美樹「夢を見たの…恐い夢…」 「戦争してるの…鉄砲持って…雅治が…」 「テレビの見過ぎだね…」 雅治「……お前、テレビ好きだもんな…」 美樹「…うん…」 雅治「…どうした?…美樹…」 美樹「く……苦しい……」 雅治「!、」 美樹「あっ!…がっ!…」 雅治「美樹!しっかりしろ!」 美樹「わぁーーー!」 凄い悲鳴だった 美樹「頭が………あたま…が………割れる…」 ベットから転げ落ち、のたうち廻る美樹 女医「押さえ付けて!注射するわ!」 俺は、美樹を後ろから羽交い締めにした 雅治「!な、なんて力だ…」 美樹は、俺の腕に、爪をめり込ませながら、腕を振りほどいた 女医「痛覚ないのよ!早く押さえて、身体がバラバラになるわよ!」 俺は、力任せに、美樹を、押し倒し、押さえこんだ… 美樹の歯が、俺の腕に… 肉を噛みちぎられたかと思うほど…… 美樹の力が抜けて行った… 女医「…ふぅ…なんとか、なったわね…」 腕には、美樹の歯形がくっきりと…付いていた 前へ |次へ |
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