《MUMEI》

「はぁー、やっと見つけた…」


「あ…」


「おまえ、携帯、電源切ってる?」


「…」


「くそ…、何回かけても繋がらないから、何かあったんかと思ったのに…」


「え…」


「はー良かった…ったく、」


フワッと、身体が浮いたと思ったら、気付いたら、カツヤの胸の中にいた。


「会いたかった…」


頭のすぐ上で聞こえた切ない、小さい声。


あたしは、
その声を聞いて、泣いてしまった。

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