《MUMEI》

「迷惑‥?」

「あのストラップ──あれのせいで何や厄介な事になってもうた訳やし‥」





クスッ、と笑い声がしたんは、その時やった。





「そうじゃないですよ」

「そうやないて‥何でや‥?」

「これ、私は先生にもらって嬉しかったですし──、それに、ケータイが落ちなければこれは見つからなかったはずなんです」

「‥‥‥それ、もう使えんくなってもうたやんな‥」

「──いえ」

「‥?」

「これ──くっつければまだ使えますから」

「『くっつければ』‥?」

「はい。私──直してみます」

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