《MUMEI》

昼休み、私は先生に会いに来た。





「──ほい」

「ぁ‥ありがとうございます」





冷たい、ココアの缶。





「──ぁ、これ直してみたんですけど‥」

「お‥凄いやんっ」

「縫い止めただけ‥なんですけどね」

「いやぁ、オレには出来ひんわ──。卯月器用なんやなぁ、やっぱし」

「‥‥‥‥‥‥‥」





何だか、体が熱い。





「せやけど──何でそないしてまで使うてくれるんや‥?」

「私には──宝物なんです」

「‥宝物‥?」

「──はい」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫