《MUMEI》 手札を配り、〆華が1巡目の札を取り終えると、兼松は暫し考え込んだ。 初めの一手に迷っているのかと思いきや… 『なぁ〆華……さっきは何であんな曇った顔をしていたんだ?』 兼松は手回しを考えていたのでは無かった。 『いえ………とくに……………』 〆華は辛い思い出を振り返っていたことを濁した。 『…嘘を言え……。 …儂とて伊達に50余年も生きてはおらん…』 兼松は執こく食い下がる。 『…………。』 〆華は暫く押し黙っていたが… やがて兼松の目を見据えて口を開いた…。 前へ |次へ |
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