《MUMEI》 「ぇ‥‥‥何で俺が怒らなきゃならないんだ‥?」 「あたし逃げ出したじゃない‥」 「──それは確かにいい事じゃなかったけど‥何かどうでも良くなったんだよな」 「何でよ‥」 「だって俺──那加が無事かどうか‥それが気掛かりで‥」 「‥‥‥‥‥‥‥」 「戻ろう、那加。──佳代子さん達も心配してる」 「‥‥‥怒られないかな」 「ぇ」 「明月さんとか‥戸田先生とか‥」 「──大丈夫」 「〜〜〜〜〜〜‥」 「参りましょう、姫サマ」 「‥分かった──」 那加は立ち上がって、 俺の手を握った。 痛い位に、 強く。 前へ |次へ |
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