《MUMEI》

海南クラブがタイムアウトを取り、


両チームがベンチに戻る。


「…どうだクロ?」


「なんか…


頭がボーっとして…


耳がキーンてなります…」


(弱ってるな…)


「なんだよあいつら!!
マジムカつく!!」


「何で止めたんすか不和さん!!
1発殴ってやればよかったじゃないすか!!」


「バカ。


そんなことしたら1発退場だぞ。


お前らにまで抜けられたらど〜すんだよ。」


「もう試合なんてどうでもいいでしょ!!」


「良くね〜だろ!!」


「え…」


「ここであいつら殴ったらそれこそあいつらの思うつぼだろ!?


そりゃ殴ればスカッとするかもしんね〜けどよ!!


ただそれだけだ!!」


「でも…!!」


「俺だってムカついてんだよ!!
だから…」


「…」


「俺たちのプレーであいつらに屈辱を味あわせてやろう。」


「不和さん…」


静まるベンチの中で、


クロが話しだす。


「僕も…」


「…?」


「僕もそう思う…。」


「…わかったよ!!」


「ヤマ…」


「なんだよ?」


「少し休んだら…


すぐ戻る。


だから…」


「…」


「お膳立てしといて。」


「…」








『わかった…
約束する…』

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫