《MUMEI》

「‥ごめん、なさい‥」





那加は、

後ろめたげに頭を下げた。





「‥ごめんなさい‥」

「いいのよ、無事に帰って来てくれたんだもの」

「‥怒ってない‥の?」

「怒る訳ないじゃない。──ほら、お部屋戻ってご飯食べない? デザートにはムースもあるし」

「───────」





那加の目が、

輝いた。





「さ、行きましょ」

「うんっ。ほらっ──日向も早く♪」

「な‥那加‥?」





何か‥

急に元気になった‥。





「‥ぁ」





──病室には、

既に食事が運ばれてあった。





そして、

ケージの中では、

ひまわりが眠り込んでいた。

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