《MUMEI》 散々町中をさ迷い歩いて空腹が絶頂だったらしく‥ 那加は恐ろしい速さで食事を平らげ‥ 今は、 デザートのムースを頬張っている。 「ひなたぁ、そのプリンいらないならちょうだい」 「ぇ、‥ぁぁ」 本当に腹ぺこだったんだな‥。 「日向ぁ」 「‥?」 「何であたしがここから抜け出したって分かったの‥?」 「ひまわりが教えてくれた」 「ひまちゃんが‥?」 「ぁぁ」 「凄いね、ひまちゃん──」 「だろ?」 「うん。──でも日向も凄いよ」 「俺‥?」 「──あたし、迷ってもう帰れないかも‥って本気で不安になってたんだもん」 前へ |次へ |
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