《MUMEI》

「‥いいんですか‥?」

「当たり前やん」





先生は、1枚のメモを私に手渡した。





「───────」





そこには、電話番号と‥それからメールのアドレスが書かれてあった。

「せや‥ほなお前のも教えてもらわなな」

「ぇ‥、私の‥ですか」

「ぁ‥そか、卯月から連絡くれれば分かるやんな」

「あの、本当にこれ‥」

「何なら今かけてくれても構へんで?」

「ぇ」

「まぁ、いつでもええねんけどな」

「いつでも‥?」

「せや。いつでもええねん」

「──ありがとうございます」

「ええて、お礼言われるような事なんしてへんねんから。‥卯月?」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「‥ぇ、何で泣いとるんや‥?」

「すいません‥」





悲しくもないのに、涙が出てくる。





──どうして?

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫