《MUMEI》

「‥どうだ‥?」

「‥‥‥ちょっと良くなってきたかも」





那加の腹痛は、

だんだん治まってきたらしい。





「───────」

「‥治った」

「ぇ」

「治った」

「ほんと、か‥?」

「うん。──でもまだ離れちゃダメ」

「何故‥でございましょうか‥?」

「いいから」

「ハイ‥」





やっぱり、

寂しかったのもあるんだろうな‥。





たった独りで、

町中をさ迷っていたんだから。





「もう勝手に出て行ったりしちゃ駄目だからな?」

「ゎ‥分かってるもん」

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