《MUMEI》

「だから──心配しなくていいからな」

「心配なんかしてないもん」

「───────」

「もぉっ、何がおかしいのよ」

「ぃゃ、スイマセ‥」

「〜〜〜〜〜〜‥」

「姫サマ」

「何よ」

「何かございますか?」

「べーつに?」

「そう、か?」

「そうだもん」

「──なら、もう少しこうしとくか?」

「うん」





眠くなってきたのか、

那加は目を閉じている。





「ふぁ‥」





小さく欠伸をして、

寝息を立て始めた。





「寝た‥‥‥のか?」





近頃の那加は、

本当に寝付きがいい。





いつも知らない内に、

寝てしまう。

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