《MUMEI》 堕ちていくぴくりとも動かなくなった楓から、私はナイフを抜いた。 人って本当に脆いものなんだな… こんなに簡単に死ぬなんて。 私は不思議ととても落ち着いていた。 鍵は腹のなか…か。 私は抜いたばかりのナイフを見たが、あまり切れ味はよくなさそうなので違うものを使うことにした。 あんまり、いいものがないな… あっ…あれでいいか。 私は、のこぎりと鉈を持った。 そして、のこぎりで楓を切断した。 ギコ…ギコ… グシュッ ブチッグシュッ… カツンッ 「…?」 楓の腹からは紅く染まった鍵が出てきた。 「これで出られる…」 私は鍵を握りしめ、扉へと向かった。 前へ |次へ |
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