《MUMEI》

眠ってしまった那加をベッドに運んで、

オレはベッドの脇に椅子を持って来て座った。





「───────」





規則的な寝息を繰り返す那加を見つめながら、

何だか懐かしい気持ちになった。





まだここに来たばかりの頃は、

那加はなかなか寝付けなくて──

俺が側についていてやらないと、

絶対眠らなかった。





朝も、

俺が学校に行こうとするとひどく嫌がって──

必死になって俺を引き止めようとしていた。





けど俺は学校に行かない訳には行かなくて。





また放課後会いに来るから、

そう言って病室を出た。

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