《MUMEI》
ある人の過去
 「・・・・父上、母上・・・・」
 亡骸の前で叫ぶ少年。血に染まった手を取るが、すでにぬくもりは失われつつあった。
 小さな灯りが隙間風に揺られ、少年の影も揺らめいた。灯りの赤より濃い紅が床一面に塗りたくられていく。
 事件に気づき、屋敷の外が次第に騒がしくなっていく。
 少年の涙は止まらない。瞳の光が消え、瞳孔が開いた父に少年は――――恐怖を覚えていた。

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