《MUMEI》

太陽みたいやて、

卯月はそない言うてくれた。





そない言われたんは、

初めてやった。





「先生──」

「ん、どないしたん‥?」

「私──また来てもいいですか」

「おう、また明日も来てええで」

「ぁ‥あの‥」

「?」

「眞野先生、お料理‥何が好きですか‥?」

「料理‥?」

「はい‥」

「せやなぁ──‥里芋の煮っ転がしとか結構好きやけど」

「里芋‥?」

「ぁぁ──昔よう食べとってん。せやけど──そないな事訊いてどないするん‥?」

「ぁ、ぃぇ‥、ただ、訊いてみたかったので‥」

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