《MUMEI》

那加は、

並べられた朝食を一つ一つ見比べて、

それから──

ゆっくりとスプーンを取った。





スープを掬って、

一口飲む。





「‥‥‥‥‥‥‥」

「那加?」





反応がないけど‥。





「那加──」

「日向も手伝って」

「ぁぁ」

「半分づつ、ね」

「──了解」





もう当たり前になった、

朝の風景。





けど、

何かが変わったと思う。





‥何だろう‥?





「ひなたぁ、半分づつ食べるって約束でしょ?」

「ハイ、姫サマ‥」





考えるのは、

後にしておこうか──。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫