《MUMEI》
ドンっ――――
あたしは、カツヤを突き飛ばした。
「っ…」
俯きながら、叫んだ。
「あたしはっ…、会いたく、なかったっ…!!
なんなの、…何も、言ってくれないくせに…あたしたち、幼なじみだろうっ…!?好きな子いるなら、一言、言うべきだろっ!?」
「……」
「なんか言えよっ!!」
「……俺は、おまえのこと、幼なじみだと思ったことは一度もない」
心臓に、ナイフを刺された気分。
もう、涙でカツヤの顔が見えない。
「っ……だっ…だったら…そんなんだったら、すきとか言うんじゃねー!!」
その場から逃げようとしたら、ものすごい力で引き寄せられた。
「いっ……ンっ………」
バシッ!!!
「死ね!!!!カツヤなんか大嫌いだ!!!!!」
思い切り平手打ちをして、走って逃げた。
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