貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い

《MUMEI》
夕飯
「まぁどうでもいいか…」
そんなことより夕飯の方が重要である。現在所持金は100円。これは虎の子の金なので、生命の危機に瀕した場合に使う事にしよう。
「そうすると…冷蔵庫か…」
ちなみに、オレの部屋にそんな贅沢品はない。オレは部屋を出て、隣室の203号室に入る。その部屋の住人である勝也は部屋の隅で体操座りをしていた。
「おう、勝也大丈夫だったか?ちょっと冷蔵庫の中身もらって行くぞ。」
爽やかに話しかける。しかし、反応がない。
「ん?」
耳をすませてみる。
「モウサワガシクシマセン…モウサワガシクシマセン…」
洗脳されていた…。
「……。じゃもらってくな!」
冷蔵庫を開ける。中には豚肉が入っていた!
『トモヤはブタニクを手に入れた!』
食材を手に入れたらここにはもう用はない。
(強く生きろよ…)
部屋の隅でブツブツ言っている勝也を激励してから部屋を出た。
(さてと、美春さんに料理してもらうか…)
廊下に出て夕飯のプランを考える。オレは全く料理が出来ないので、よく美春さんにお世話になっている。美春さんの料理は絶品で、そこらへんの食い物屋より美味いのだ。

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