《MUMEI》

「──分かってる」

「笑わないでよ日向」

「笑ってないって」

「笑ってるじゃないほらぁ」

「ぃゃ、笑ってない‥」

「〜〜〜〜〜ッ‥」

「那加‥? ──!!」





久し振りに枕が飛んできた‥。





「笑ってるくせに〜‥」

「スイマセン‥」

「もう遅いもん」





那加はお冠なのか、

俺とは目を合わせようとしない。





「あの──姫サマ‥」

「ふーんだっ」

「‥‥‥‥‥‥‥」





どうすれば、

那加は機嫌を直してくれるだろうか。





「──那加」

「何よ、もうあたし怒ってるんだからね?」

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