《MUMEI》

「どんな味するか分かんないんだもん」

「毒味‥って事デスカ?」

「うん。だって日向召使でしょ?」

「‥ハイ、左様で‥」

「だから早く毒味して」

「ハイ‥」





毒味と聞くと、

何だか少し恐い気もする‥。





‥けど、

命令には逆らえない。





「‥‥‥‥‥‥‥」

「どぉ‥?」

「ん‥、結構イケる」

「ほんと?」

「ぁぁ」

「じゃあ、あたしも食べる」





那加は、

パックリと口を開けた。






食べさせろ、

という事らしい。





「──どうぞ、姫サマ」

「───────」

「どうだ?」

「うん‥、うん。ほんとだ。美味しい」





那加は、

幸せそうに笑った。

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