《MUMEI》 「何で日向ってすぐ忘れちゃうの?」 「スイマセン‥」 俺は、 ただ謝るしかない。 「‥もぉ‥」 膨れっ面をして、 那加はプリンを頬張る。 俺はそんな那加を見つめながら、 何と声をかけるべきか考えていた。 「何見てるの‥?」 「ぃゃ、何て声かけようかと‥」 「何も言わなくていいの」 「けど、那加怒って──」 「ないもん」 「───────」 こういう時、 やっぱり俺は困ってしまう。 那加は機嫌を損ねると簡単には治らないって、 分かっているんだけど──‥。 前へ |次へ |
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