《MUMEI》

「ぃゃ、別に俺はそんな意味で言ったんじゃ‥」

「む〜ッ‥」

「ス‥‥‥スイマセンでした姫サマ‥」

「〜〜〜〜〜〜〜」





むくれる那加に、

俺はそっと近付いた。





「!? 何するのよ日向っ」

「これしか思いつかなくて──」

「抱ーきー付ーかーなーいーでーよっ、離れなさいよっ」

「お詫びですから」

「何よそれっ、‥ばっかみたい‥」





そう言って俯いた那加は、

頬が赤い。





だから、

嫌ではないんだと分かった。





だから暫く──

このままでいることにした。

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