《MUMEI》
親父の遣いで、にしのやに酒を届けにきた。
凪の親父さんに渡しながら、軽く話をして、帰ろうとしたとき、目の前をベンツが通りすぎた。
そのベンツは、にしのやの駐車場に停まった。
降りてきたのは、ホテル篝火の社長と、ずっと――――
――――だった、女の子だった。
笑顔で話す2人。
頭に、血がのぼっていくのがわかる。
ずんずんと2人に近づき、気付けば…
腕を掴んで、社長の前から走っていた。
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