《MUMEI》

「っ―――!!」


武臣さんが何か叫んでる。

でも、どんどん距離が離れてくせいで、聞こえない。

「ちょっ…ちょっと!!」

声をかけても、


足を止めようとしても、


掴まれた腕が、離れない。

離してくれない。


あたしの腕を掴んでるのが、カツヤだとわかるのに、結構時間がかかった。




それぐらい、夢だと思った。

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