《MUMEI》 「そうだ、プリン‥」 「ぇ?」 「食べてる途中だったの忘れてた」 「ぁ──‥そうだった忘れてた」 「那加でも忘れる事あるんだな──」 「しッ‥失礼ねっ、あたしだって‥忘れる事位‥」 「可愛いな──」 「!? 何ばか言ってるのよっ」 「ほんとだから」 「うーるーさーいっ」 「──ふはっ」 「何がおかしいのよっ」 「ほら」 「何よ、鏡なんか突き付けて‥」 「よく見て見ろよ、自分の顔」 「‥‥‥‥‥‥‥」 「分からないか?」 「分かんない」 那加は、 本当に分からないらしい。 自分が、 どれだけ可愛いのかを。 前へ |次へ |
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