《MUMEI》

「ごーめんごめんっ、何が自販機混んでてさぁ‥、ってどしたの?」

「ぇ、ぁ‥未玖っ、お帰り──」

「何かあった?」

「ううんっ、何も‥‥‥」

「ほんとに?」

「──本当に」

「そっか──‥。でもほんとに‥」

「うん、大丈夫」





眞野先生‥

やっぱり何か隠してるみたいだけど‥。





でも、

無理に訊き出す訳にもいかないし‥

そんな勇気も、

私にはない。





とにかく昼休み──

先生にお弁当をちゃんと渡さなきゃ。





未玖の協力を、

無駄にしない為にも。

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