《MUMEI》

少女の全身には、革のベルトで何度も鞭打たれた痕が、酷たらしく刻まれていた…。



皮膚が硬化した肘の内側には、覚醒剤を射たれた注射針の痕が、紫色の点となって散らばっている。



少女はピクリとも動かない…。


もはや生きているのかすら解らなかった。




『鶴見一家なんざ、猪俣ってヤツ一人で持ってるような弱小団体だろ?


…ソイツさえ殺っちまえば簡単に落ちんじゃねぇのか…。』



笑う笠松の傍にあるソファーの上には、もう一人の少女が後ろ手に縛られた状態で横たわっていた。



少女は目隠しをされ、その口はボールギャグで塞がれている…。



かろうじて息をしているものの、何時間も装着させられているのか、とうの昔に涎も枯れ果て脱水症状を引き起こしていた。

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