《MUMEI》 少女の全身には、革のベルトで何度も鞭打たれた痕が、酷たらしく刻まれていた…。 皮膚が硬化した肘の内側には、覚醒剤を射たれた注射針の痕が、紫色の点となって散らばっている。 少女はピクリとも動かない…。 もはや生きているのかすら解らなかった。 『鶴見一家なんざ、猪俣ってヤツ一人で持ってるような弱小団体だろ? …ソイツさえ殺っちまえば簡単に落ちんじゃねぇのか…。』 笑う笠松の傍にあるソファーの上には、もう一人の少女が後ろ手に縛られた状態で横たわっていた。 少女は目隠しをされ、その口はボールギャグで塞がれている…。 かろうじて息をしているものの、何時間も装着させられているのか、とうの昔に涎も枯れ果て脱水症状を引き起こしていた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |