《MUMEI》 「‥頭痛いの?」 「ぃゃ、耳が痛い‥」 「何で?」 「何で、って‥その‥」 那加が大音量で言ったもんだから‥。 「あたしの声、そんなにおっきかった?」 「‥えっと‥」 そりゃあもう‥。 鼓膜がどうにかなるかと思った位‥。 「ちゃんと聞こえてる?」 「ぁぁ‥、大丈夫‥」 にしても驚いたな‥。 「ぁ‥、那加こそ大丈夫なのか‥?」 「何が?」 「どこか怪我とか──」 「してる訳ないじゃない、日向が支えてくれたから落ちないで済んだし──」 前へ |次へ |
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