《MUMEI》

「ぇ、ぁ‥あのっ、美味しいかは‥」

「おっ、むっちゃ美味そうやん」

「先生‥」





‥聞いて下さい‥。





「? これてひょっとして──」

「ぁ‥それは‥」





先生が示したのは、

自分の好物。





「これも作ってくれたんかぁ」

「作り方は‥未玖に調べるのを手伝ってもらって──、先生‥?」

「美味い‥」

「ぇ」

「これむっちゃ美味いで卯月──」

「‥ほんと‥ですか?」





まだ不安が消えない私を見て、

先生は苦笑した。





「嘘つく訳ないやろ?」

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