《MUMEI》 ──那加は夕食を平らげてから、 暫く窓の外を見ていた。 「日向、ほらっ──星出てる」 「星‥? ‥ぁ‥」 本当だ。 星が出ている。 「明日もいい天気になりそうだな」 「‥‥‥‥‥‥‥」 「どうした?」 「日向、明日学校でしょ」 「ぁぁ‥」 そうだった。 俺は学校があるんだった‥。 「学校終わったらすぐ来るからな」 「〜〜〜〜〜〜‥」 「何か土産買って来てやるから」 「ほんとっ?」 「ぁぁ」 「やった♪」 さっきまでの不機嫌はどこへやら── 那加はすっかり上機嫌だ。 前へ |次へ |
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