《MUMEI》

──夜10時を過ぎた頃。





「ふぁ──‥」





那加は、

眠たげに欠伸をした。





「あたし寝るね‥」

「ぁぁ」

「日向は?」

「えっと‥」

「一緒に寝る?」

「───────」





どうして、

何の抵抗もなく言えるんだろう‥。





「一緒に寝よっ♪」

「──蹴るなよ?」

「し‥失礼ねっ、あたしそんなに寝相悪くないんだからっ」

「ゎ‥悪い‥」





でもたまに‥

そういう事あるもんだから、

つい‥。





「早く隣り来て」

「──ハイ‥姫サマ」





こうして隣りに寝てみると、

何だか本当に那加が妹みたいに‥

いや、

今は姉‥?





「‥なぁ那加‥」

「───────」

「那加?」





寝た‥

みたいだな‥。

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