《MUMEI》

「──ぁ‥ぁ‥碧依っ、どッ‥どうしたのその髪っ!?」





未玖は、私の髪を見るなり素頓狂な声を上げた。





「何でそんな──」

「ぁ、えっと──‥‥‥長かったから切っちゃおうかなって」

「ぇ‥、ぃゃ、それ──違うんじゃ」

「そうだ、帰り美容室よってかなきゃだから今日は先に帰るね」

「碧依‥」

「?」

「誰がやったの?」

「だ‥誰でもないよ、心配しないで大丈夫だから」

「あたしも一緒に行っていい?」

「ぇ」

「前髪伸びちゃってさぁ、鬱陶しいから切りたいなぁって思ってたんだよね」

「──うん‥」

「よしっ、じゃあ決まりだ♪」

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