《MUMEI》

放課後、私は未玖と美容室に寄った。





その帰り、未玖が──ケーキを食べないかと誘ってきた。





「ほら、新しくオープンした店あるじゃん♪」

「でも、もう夕方だし──‥」

「まだ全然明るいよ?」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「あたしがおごってあげるから♪」

「未玖が‥‥‥? いいよ、そんな‥」

「ほらっ、行こ行こ♪」

「み‥未玖っ‥」





私‥ケーキなんか食べる気分じゃ‥。





それに‥何だか気分が重たい。





「あっ、あったあった♪」




未玖は私を引っ張って、喫茶店に入った。

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