《MUMEI》

ボクたちの通ってる岡根第一高校は、まだ出来て12年の新しい高校だ。

しかもさっき言ったみたいに、田舎の岡根市だから土地も余ってたんだろうね。ものすごいデカい。そこいらの大学には負けないくらいの大きさだ。

校舎から体育館から校庭からとにかくデカい。おまけに設備もなかなかのもので、おそらく全国探してもコンビニがある高校なんてウチの高校だけだろう。

ちなみにボクらは普通科だが、工業科や数学科、服飾科などいろんな学科がある。なんでも市が「教育革命」とかなんとかで作ったのがこの高校らしい。いくらなんでもやりすぎじゃないのかなぁ…。




「陸、今何分?」

「今?30分だよ。やっぱりいつもより早いね。」

「お前遅刻魔だからなぁ…オレはいつも通りだけど。昼飯買いたいからコンビニ行こうぜ!」

学校に着いたボクらは、まず昼飯を買いに早速コンビニへ向かった。

そういや遅刻しなかった代わりに弁当忘れちゃったなぁ…せっかくだしボクもなんか買おうかな。

あ、ちなみに食堂ももちろんあるよ?でもウチの学校は、食堂より中庭で食べる人が多い。中庭っていっても案の定デカいんだけどね。

ボクらもいつも中庭の木の下でご飯を食べる。日が当たってものすごい気持ちいいんだ!





「なに食べようかなぁ〜…」

「ん?陸もコンビニで?」

「うん、早く出てきた分弁当忘れちゃって…。」

「なるほどな。まぁ…あの母親じゃ弁当くらい忘れても当然だよな…」

子供のころいつも3人で泥まみれになるまで遊んではウチの母親に叱られた覚えのある空くんにとっても、ボクの母親は最強の魔王みたいだ。

…ん?3人って誰かって?あぁ、それは…





「陸!空!おはよ〜♪陸今日は早いじゃない!なんかあったの?」

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